物語から学ぶ

生きるって、簡単じゃない。そう思えるのは戦ってる証拠

アニメ、灰と幻想のグリムガルから学ぶ、真剣に生きるということの大切さ

「生きるって、簡単じゃない。」

これは、2016年に放送していた「灰と幻想のグリムガル」というアニメの公式のホームページを開くと、最初に目に飛び込んでくる言葉です。

このアニメは、いわゆる異世界ファンタジーものといわれるジャンルの作品ですが、ストーリーと演出がとても変わっていて特徴的です。

一般的にこういったアニメやマンガは、ある程度強くなるまでの展開が非常に早く、あっという間に、それなりの強さを手にしてしまいます。

なぜなら、主人公やその周囲にいるキャラクターは、大抵最初から、ズバ抜けた才能を持っているからです。

また、そういう才能豊かなキャラクターに、自分を重ね合わせることで、視聴者は、ある種のカタルシスを疑似体験することができます。

厳しい言い方をすると、現実世界は不満ばかりでも、アニメの世界の主人公たちに自分を投影している時だけは、気持ち良くなれるということです。

しかし、想像上の世界で心を解放し、現実世界で戦う英気を養うことが、あらゆる物語の存在意義だとする考え方もありますから、これもアニメの良さだと思います。

主人公たちは、特別な能力を持たない普通の若者たち

さて、灰と幻想のグリムガルのすごいところは、主人公たちが天才的という前提を意図的に壊したところです。

まず、主人公たちがめちゃくちゃ弱い・・

彼らには、世界を変えたいとか、誰かを守りたいとか、修業が大好きとか、これまで多くの主人公たちが持っていたはずの志がありません。

要するに、本当に普通の若者たちなんです。

そんな彼らが、生活のために、生きていくために、モンスターを退治する。

冒頭の「生きるって、簡単じゃない。」という言葉に、彼らのスタンスが正に現れているように感じます。

また、キャラクターの心理描写がめちゃくちゃ繊細なところもすごい。

第二話で、初めて最下級モンスターであるゴブリンを倒すことになるんですが、この時の戦いが印象的でした。

普通、一番弱いモンスターとの戦いの描写なんて、数秒で終わってしまいます。
ドラクエでいえばスライムですからね。
そんな戦いで時間を割くはずがありません。

しかし、このアニメでは、殺される側のゴブリンの心理を深く描写するんですね。

※以下のPVの40秒以降を観ていただくとイメージしやすいと思います。

瀕死の状態になったゴブリンは、なんと死んだフリをしてまで必死に生き抜こうとします。

その姿を見て、主要キャラクターの一人が「死にたないんやな・・(関西弁のキャラ)」とつぶやき、他のキャラクターは、涙を流しならそのゴブリンを剣で突き刺すわけです。

初めてモンスターを倒したわけですから、普通はおめでとう!やった!となるはずですが、彼らはそれぞれ無言で家に帰り、ゴブリンを殺した時の手の感触を思い出し沈黙します。

ゴブリンも同じ命を持っていて、みんな死にたくないんだ・・と。

そういった経験を乗り越えて、本当に少しずつ、少しずつだけど着実に主人公たちが強くなっていく物語なんです。

真剣に生きている人だけが、人生の難しさを感じる

なんか、これって現実そのままの姿だと思いませんか?

私たちも、飛躍的に成長したいと願っても、大抵の場合、地道に少しずつ努力しながら成長していくしかないですよね。

当然、苦しいこともあるし、大変な試練にぶち当たることもある。

私も彼らと同じように、「生きるって、簡単じゃない。」と思うことがよくあります。

それは別に、食べていくのが大変とかそういうレベルのことではありません。

今の時代、仕事さえ選ばなければ、食べていくことくらいは、そう難しいことではないと思うからです。
(極端な話、ホームレスの方々を見れば餓死することはないということが分かります)

私が簡単じゃないと思うのは「真剣に生きていく」ことです。

灰と幻想のグリムガルの主人公たちのように、現実を直視し、自分たちにできることを淡々と繰り返しながら成長していく。

そういう風に、真剣に生きていくということは、誰にでもできることではないと思うんです。

「生きるのが辛い」と言っている人は沢山いますが、生きるって、簡単じゃない。と思える人は、そう多くありません。

なぜなら、「真剣に生きている人=挑戦している人だけが、生きることの難しさに気付く」からです。

ゲームでも勉強でもそうです。

それを攻略しよう、もっと学ぼうとするからこそ、その難しさが分かる。

そして、真剣に向き合えば向き合うほど、目の前にどんどん試練が立ちはだかってくるわけです。

ですから、「生きるって、簡単じゃない。」と思えるのは、真剣に戦っている証拠だと思うんです。

「辛い」と「簡単じゃない」は、なんとなく似たような言葉ですが、この文脈においては全く違った意味を持ってきます。

私は、映画もアニメも漫画も本も大好きですが、どんな物語からでも、本当に沢山なことに気付かされます。

どんな形の物語も馬鹿にせず、接することができれば、学ぶ機会も倍増するでしょう。

ちょっと長くなりましたが、「真剣に生きるってどういうことだろう?」
と気になった方は、もしよかったら「灰と幻想のグリムガル」をチェックしてみてください。

映像と音楽がすごくいいです。

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